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みずのタイムトラベル城西編 紀行 2

こんにちは

これは2012年5月3日、6日、26日に行われた「建築家と巡る城下町みずのタイムトラベル城西編」の紀行文です。

前回は「美術稲荷社」について話しました。今回は「美術稲荷」から徒歩3分、大正時代から親しまれてきた「塩井の湯」についてお話します。もともと裏町にあった塩井の湯は大火で焼けて、現在の場所に移ってきました。
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「写真1:塩井の湯 ファサード」

 都市の歴史というのは大火の歴史と密接な関係をもちます。特に江戸時代は都市が発展した時代です。同時に日本の風土と、木や紙を用いる日本建築の特性上、大火災に見舞われた場所が多くあります。現在文化財として価値ある蔵造りも、もともとは大火で焼け残り、防火建築として商人を中心に建てられたものです。現在松本市では保存や復元、リノベーションをして活用することでただ「残す」のではなく、人と建物の良い関係性のなかで風景にとけこませようとした動きもあります。

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「写真2:解説をする建築家川上恵一さん」

 さて、「塩井の湯」はそんな「蔵」とは異なる魅力をもった建築物です。まず飛び込んでくるのは装飾の施された *洗い出しの外壁(現在は上にペンキを塗っています)。写真1でもわかるように、右から左に流れる文字、レリーフはおもてなしの気持ちです。中に入る途中、右手に小さなお稲荷さんを横切り、入ると使い込まれた味わい深い木の下駄箱、脱衣所の天井模様、打ちっぱなしの鉄板。そして素敵な女将さん。騒がしい町のなかにあって、心地よく、どこか懐かしい落ち着き、ゆったりした湯船につかれば日常とは違う時間の流れの中で、疲れもいつのまにかどこかへ。
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「写真3:木の下駄箱」

 ここでみずに関するお話をひとつ。そもそもなぜ「塩井の湯」というのでしょうか?塩化物イオン(Cl-)が含まれているから「塩井の湯」なわけですが、みなさん(よければ)湯船につかった時にみずを舐めてみて下さい。どうですか?おそらく塩辛くないはずです。

     「まって!家で食べる塩はしょっぱいよ、これじゃあ塩井の湯じゃない!」そんな声が聞こえてきそうです。

 そこで家庭にある食塩の原材料を見て下さい。そこに海水とあると思いますが、塩井の湯で使っているみずはアルプスを*浸透してきた地下水と考えられます。この地下水は、海で蒸発した水が雲になってアルプスに雨を降らし、地下に浸透しながら流動しまた海へと戻っていく循環をしています。この過程で、水は土壌や岩石中の鉱物と反応してナトリウムイオン(Na+)とCl-など様々な化学成分を溶解し浸食します。海に流入した水は時を経て蒸発しますが、水中に溶解したNa+やCl-は消費されることなく残留するために塩分濃度が上昇します。
 ところが、河川や湖の水などは塩辛くありません。河川や湖の地表水、地下に浸透した地下水も確かに塩分を含んでいますが、水が常に移動し、また、塩の供給源が限られているために一般的な地下水中の塩分量はわずかであり、我々の舌が塩辛さを感じないわけです。だから、塩井の湯の水を舐めても塩辛くなかったのだろうと考えらます。

 「源智の井」とともに「名水100選」にも選ばれたことのある『塩井の湯』について女将さんに伺ってみました。

「ここの湯は、塩素が身体にまくを張るので普通の湯につかるよりも少しだけぬるく感じます。ですので、一般的な銭湯より、お湯を熱めにしています。きっとみなさんに身体の芯から温まっていただけるんではないでしょうか。また、塩素が身体を包み込むので保温・保湿効果があり肌にとてもいいんですよ。建物の裏には、水もあげずに立派に育つ植物があるのですが、それだけここの水が良いのだろうと思います。是非、一度つかっていって下さい。」

『塩井の湯』
住所:長野県松本市大手3‐6‐3
営業時間:15時~22時(月休)
電話番号:0263-32-1507



*洗い出し-コンクリート・モルタルなどの壁面・床面の表面を洗い出して、自然な風合を再現しようとするもの
*浸透-地表に到達した雨水や融雪水が、地表から地中へ侵入する現象


●みずのタイムトラベル城西編 紀行1へ

みずのタイムトラベル
by mizunosanpo | 2012-06-15 22:31 | 2012旅行社みずのさんぽ

みずめぐり姫からのご挨拶

今年も沢山の方に参加頂きまして、誠にありがとうございます。

あいにくの天候で、雨の中参加して頂くことになった日もございましたが、
参加して頂きましたみなさんの笑顔を見る事ができ、また感謝のお言葉を頂いたりと、
私たち「みずめぐり姫」にとっても、素敵なツアーになりました。

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松本には、至る所から、湧水がわいています。
水に、実際に触れ、また味わい、音を聞き、
日常に溶け込んだ松本の湧水を、存分に味う事のできる、この「みずめぐり姫」のツアー。


まだ、参加した事のない方。
来年もぜひ、開催したいと考えておりますので、興味があれば、
ぜひ、ご参加下さい。
今年参加された方も、もちろんお待ちしております。
by mizunosanpo | 2012-06-10 22:22 | 2012旅行社みずのさんぽ

みずさじ作家とあるく湧水・井戸・水路

みずさじ作家とあるく湧水・井戸・水路

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今回の「みずさじ作家とあるく湧水・井戸・水路」では、みずさじを創っていただいている、陶芸家の田中一光さん、木工作家の田路恭子さん、みずさじ袋を創っていただいている百瀬陽子さんの3つのグループに分かれて水巡りをしました。

参加して下さったお客さんは今回は6人。
最初に作家の皆さんとの交流会が30分あり、その後松本市美術館を出発し、1時間ほどかけて湧水・井戸・水路巡りへ。
各グループに2人ずつ入っていただき、少数であるからこその親密なやり取りができました。

帰ってきてからは30分ほどかけて皆さんが実際にみずさじを使ってみての感想や、どこの井戸に対して使いやすかったか、また、新しいみずさじの使い方はないかを話し合い、写真のようなA4の用紙に「みずさじ図解」としてみずさじを「解剖」し、まとめました。

最後に同時進行で皆さんの生の声をもとに作成した「湧水・井戸・水路の大マップ」と、「みずさじ図解」は松本市美術館に展示してありますので、ぜひ足を運んでみてください。
by mizunosanpo | 2012-06-10 18:00 | 2012旅行社みずのさんぽ


豊かなくらしは日々みずみずしくあること。水と工芸とともに街を楽しむお散歩やスポット、グッズを提案する「旅行社みずのさんぽ」と印刷表現でものづくりを楽しむスペース「井戸端プリント」の紹介


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