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みずのタイムトラベル城西編 紀行 3

こんにちは

これは2012年5月3日、6日、26日に行われた「建築家と巡る城下町みずのタイムトラベル城西編」の紀行文です。

前回は「塩井の湯」について話しました。今回は「塩井の湯」から徒歩で松本城西不明門(にしあかずのもん)へ行きましょう。

まずは、塩井の湯から松本城西不明門へ向かいます。すると写真のような風景に遭遇します。
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「写真1:塩井の湯から西不明門へ向かう」

よくある風景といったところでしょうか。道路が緩い弧を描いていますが計画的に造られた道路であれば先の見えない危険でスピードを出しにくいこのような道路設計はしません。もうお気づきの方もいらっしゃるかも知れませんね。下の図を見て下さい。
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「図1:現代地図と古地図(江戸)を重ね合わせ堀を青で塗った」
(現存の堀=水色・埋め立てられたもの=濃青)

赤線で示したのが写真のカーブ地点です。つまり住居が建っている部分は江戸時代お堀だったのですね。言い換えれば、江戸時代ならこの住居はみずの中!道路は堀の埋立てに沿って作られたので緩い弧を描いているのです。

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「写真2:住居の隙間から覗く石垣」

上の写真は住居の隙間から撮った写真ですが、奥を見ると石垣があります。これを見ると住居が堀の上に建てられているのをさらに実感できます。

 このように松本城全体を囲い、水で満たされたお堀は松本の町割りへ大きな影響を与えています。下図の大部分が青色で占められて、松本城周辺は本当に水に恵まれた豊かな水都だったことがわかります。残念なことに多くの水場はコンクリートで埋められてしまいました。
 江戸を事例としてみると、川に隣接する土地は河岸地と呼ばれ、幕府の所有地であり、オープンスペースの担保が義務付けられていました。明治時代でも、河岸利用のためには東京府から許可を得ることが必要で、つまり水辺空間は公共的空間であり、市民のパブリックアクセスの場として重要視されていたのです。
 しかしながら大正の旧都市計画法による、都市計画事業捻出のため、河岸地の売却が急ピッチで進み昭和50年代以降パブリック空間としての河岸の特性が失われました。

現在の日本において、河川に高密な市街地が隣接して立ち上がっているのはこのような歴史的経緯に基づいています。

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「図2:現代地図と古地図(江戸)を重ね合わせ堀を青で塗った」
(現存の堀=水色・埋め立てられたもの=濃青)

そうこうしているうちに、西不明門に着きました。建築家の話が始まるようです。
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「写真3:西不明門にて」

「西不明門は城西2丁目1・2・4・5あたりの地籍で、現在の松本税務署近辺にありました。石造案内板が、松本市内科・小児科夜間急病センター北にたてられています。 西不明門は、櫓門で3間(約5,4㍍)×6間の規模、門内は桝形(ますがた)風に広く空間が取られ的場が設けられており、享保期の図では、番所が枡形風の広場内と馬出し内の2ヶ所におかれ、井戸も広場内と馬出し部分に各1ヶ所描かれていましたが、文政初年に写された絵図では、門内部の北側にあった作事(さくじ)所の南に籾蔵(もみぐら)が描かれています。 堀に架かる土橋は長さ19間3尺あり、馬出し部分は郭内が約298坪の広さでした。西不明門と呼ぶものの、往時は不明門でなく使用されていた。現在税務署や夜間急病センターがある辺りは馬出しだったのですがその形跡は残っていません。西不明門のあった辺りに立つと、平城とは言え、外堀と内堀の場所の高低差があり、堀の内側には土塁、さらにその上に高い塀が築かれていて外から城内の様子が見えないようになっていたということが窺い知れます」



みなさんが何気なく通り過ぎてしまっている道ひとつにしても、まちの成り立ちと深いかかわりを持っているかもしれません。お気に入りの道や路地を見つけるのもさんぽの楽しみのひとつです。


                    今日はいつもと違う道を歩きませんか?




by mizunosanpo | 2012-07-05 07:45 | 2012旅行社みずのさんぽ


豊かなくらしは日々みずみずしくあること。水と工芸とともに街を楽しむお散歩やスポット、グッズを提案する「旅行社みずのさんぽ」と印刷表現でものづくりを楽しむスペース「井戸端プリント」の紹介


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