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タイムトラベル 建築家紹介



GWがおわりました。
お暑い中、第一回のタイムトラベルに
ご参加の方ありがとうございました。
楽しんで頂けたでしょうか??

それでは建築家の先生方を紹介したいとおもいます。



・藤松建築設計室 藤松 幹雄


・荒井洋 1956年10月23日生まれ
今回のコースに含まれる旧市立病院(現開智小学校)で生まれ、田町小学校に入学し、田町小と開智小が合併して新しく竣工したばかりの開智小で学びました。大学と就職で12年間東京で過ごし、1987年に開智で設計事務所を開設しました。今年で28年になります。住宅を中心に設計しています。
みずのタイムトラベルでは第一回目からご案内させていただいております。

今回はコース上にある私の事務所も見て頂くことになりました。狭い敷地に建つ事務所併用住宅ですが、建物の中央を開けて圧迫感が出ないように設計しました。平成に入ると景観に配慮することも建物を設計する上で重要になっています。そんなところを厳しい目でご覧下さい。


・山田健一郎 1963/10/08生まれ
松本市で生まれ、開智小学校に通っていました。大学、設計事務所勤務と15年の東京生活の後Uターンして、松本市内で設計事務所を開いて20年になろうとしています。

今年は、美術館で開催されている「戦後日本住宅伝説」の展覧会に合わせて、松本市内に残る其々の時代の住宅を巡りながら、開智学校や司祭館の建築も訪ねます。今回廻るコースは、松本城の北側のエリアです。この辺りは、明治時代以降に病院や学校が建てられ、便利で閑静な佇まいとなった場所に、其々の時代の特徴を示す住宅が建ちならびました。町人の城下町とは少し違った趣の、松本文化住宅街を再発見してみましょう。

・野口大介 1966年5月9日生まれ
東京都出身 20年前に松本へ移り住む。建築家(一級建築士)
松本市波田にて建築設計事務所、野口大介建築設計室を開設

普段何気なく歩いているまち。しかしちょっと気に留めてゆっくりと歩いてみると、いろいろな事柄が潜んでいることを見つけることができます。松本は城下町の名残を示す遺構や、歴史の文脈を紐解く建造物等が
多数まちなかに点在しています。見つけ出し理解することで今まで以上にまちが魅力的になり、再認識することができます。今回は、江戸時代終わりから松本のまちが大きく変わる明治・大正そして昭和の時代を巡ります。新しい思想、文化などが入ってくる。社会制度が変わる。
その為に人々の暮らしが、建築が、そしてまちも影響を受け変わってきた。松本のまちが成長してきた過程の一辺を垣間見ることが出来る。その様なまち歩きになれば良いのかと思います。


・轟真也  1970年8月25日生まれ
       長野市出身
       松本のまちなみに魅せられて13年前に居を構えました。
まちなみになる家をつくりたいという思い、一級建築士事務所 源池設計室を開き、12年になります。
今年は「建築探訪編」ということで、松本のまちを構成している江戸時代からの建物を見ることができます。松本城にまだ殿様がいたころの武家屋敷では、江戸時代の武士の生活ぶり、明治時代の小学校の様子。
建築様式とも大きな関わりがある宗教に関わる出来事にもふれ、松本の歴史を形づくってきた、それぞれの時代の建物を巡ることで、また新たな松本の魅力発見ができると思いますよ。





・米山
小さな事務所で住宅設計をしています。
今回の見所(というか、話が長くなるので話せなかったことなど)
門・・・門にもいろいろな種類がある
松本神社の門は『薬医門』(やくいもん)
太鼓門は『櫓門』(やぐらもん)
太鼓門枡形の東の門は『高麗門』(こうらいもん)
二の丸御殿に入る門は『歌舞伎門』(かぶきもん)
高橋家住宅の門は『腕木門』(うできもん)
HAL設計さんの建物のモチーフは『長屋門』(ながやもん)
司祭館・・・赤レンガへの想い入れ(個人的????)
明治22年に建てられた洋館。ちなみに、旧開智學校は洋館ではなくて『擬洋風建築』です。
松本に建てられた洋館では、司祭館の前年に建てられた『旧山崎歯科医院(旧丸山邸)』が一番古いのだと思います。
残念ながら、この建物は松本を震源とする地震で損傷し、解体されてしまいました。
この建物の歴史を調べている中で出会ったのが、建主の丸山善太郎さんと一緒に司祭館の建主のクレマン神父が、
縄手のスイートのところにあった『杉浦写真館』で撮った写真です。30歳くらいの丸山善太郎さんは洋装です。
レンガ商をしていた丸山善太郎さんは、司祭館の基礎工事、暖炉・煙突工事に係ったものと思われます。
ちなみに、明治のこの時代に松本まで鉄道が開通していなかったため、レンガをどうやって調達したのか調べてみました。
建物の謄本によると、当時丸山さんが住んでいたのは東京銀座の赤レンガ街。
そして、寄留地として、松本の神田の地番が書かれていました。
この地番には、当時建物があったという記録はなく、隣の地主さんの話では、昔、瓦を焼いていた場所だそう。
そして現地には、古い赤レンガがいくつか転がっていました。
赤レンガは、土を木型に入れて整形し、乾燥させて窯で焼くというごく単純な製造方法です。
瓦を焼ける職人に作れないことはありません。
当時の新聞記事には、長野市の瓦工場でレンガの製造を始めたということや、
これからの時代の耐火建材としてレンガがよろしい、ということが書かれています。
また、古い松本市史に『明治20年ころ浅間でレンガを焼いて柳町の税務署に使った』と書かれています。
旧山崎歯科医院の場所は『小柳町』で、明治時代に『納税所』に使われていました。
明治19年、21年と、松本では大火が続きました。そこで、レンガ商丸山善太郎さんが、松本に燃えない街を創ろうと
赤レンガのショールームを建て、司祭館の工事に係った(どちらが先かは不明ですが)のだと思います。
そしてそのレンガは、浅間から里山辺の東山一帯にあった瓦製造所で松本の瓦職人が焼いたレンガだと思います。
その貴重なレンガは
司祭館の基礎に使われていたレンガは、移築工事のときに基礎を構造補強のため鉄筋コンクリートにしましたが
表面に張って再利用されています。
旧山崎歯科医院のレンガは、有志の手で解体現場から数百個を助け出し(?)、まちなかでのイベント等に活用されています。
今回も美術館の中庭で行われたワークショップで、インスタント建築の基礎に使われました。
明治時代、世の中がめまぐるしく変わっていく時代を生きた人々がどんなことを思って建てたのか
歴史的建築物をみるときに、そんなことを考えながら見てみるのも面白いと思います。
高橋家住宅・・・下級武士の住宅
北庭は狭いけれど、風情を感じるしつらえ。南庭は生活を支える畑になっています。食べられる実がなる木が植えられています。
武家住宅の3点セット『塀』『門』『見越しの松』。ちなみに、下級武士の門は『腕木門』が多く、中級・上級は『薬医門』、
上級では『長屋門』が多かったようです。
屋根は板葺き石置屋根。のこぎりで切った板でなく、割って作った板は木の繊維が溝になり、水が縦に流れる。
この板を何枚か重ねた上を石で押さえるが、石が転がり落ちないように三角の断面の棒を噛ましてあります。
軒先に樋はなく、軒先の板に当たって下に落ちた水を排水するために砂利を入れた『雨落ち』(排水路)があります。
塀と東側の壁に板が張ってあるように見えますが、本来は、土塗り壁の仕上げです。雨が当たり損傷してしまうため
取り外しのできるパネル状の板を、金具で取付けてあります。
現代の住宅のような連続した基礎やその上の土台がなく、礎石の上に直接柱を建ててあります。柱の下面を石の
表面の凸凹に合わせて削ってあり、それによってずれるのを防いでいます。
中に入ると、通り抜けられる土間があります。この土間は、土に苦汁(にがり)を混ぜて叩いてつき固めた『たたき』です。
台所の板の間にある『置きクド』は、土で出来ています。表面がテカっているのは、泥団子と同じ作り方です。
たたみのヘリがある部屋とない部屋がありますが、あるほうが格の高い部屋で、座敷になります。
床の間の壁は、土壁の上に四周に糊を付けた紙を貼り重ね、上に紙を貼った『袋貼り』仕上げです。開智學校の天井と同じです。
襖の縁の厚みは現代の襖に比べて薄く、鴨居に溝にすっぽり入る『江戸襖』です。
復元工事では腐った柱も腐った部分だけ取り替えます。新しい材木は痩せてくるので、将来古い材と面が合うように
少し大きめに加工します。(北の縁側の柱の継ぎ部分が分かりやすいです)
土壁の下地の小舞(こまい)は地域等で使う材料が違いますが、高橋家住宅の場合は、山棒(そだ)を使っています。
材料には、サクラ、マユミ、青タモなどが使われますが、2月までの寒い時期に切り出さないと虫が卵を産みつけ、
壁の中から虫が湧いてくるということで、雪の積もったアルプス公園に現場代理人さんと材料調達に行って雪にはまりました。



では、次回もお楽しみに♪



by mizunosanpo | 2015-05-11 15:25 | 2015旅行社みずのさんぽ


豊かなくらしは日々みずみずしくあること。水と工芸とともに街を楽しむお散歩やスポット、グッズを提案する「旅行社みずのさんぽ」と印刷表現でものづくりを楽しむスペース「井戸端プリント」の紹介


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